ドロップ・オブ・ロゼ 〜薔薇の涙〜
第8章 もっと、君を知りたくて。
千「このあと、どうしよっか?」
「そうだなあ…」
慎「映画で盛り上がった後はゲーセン行って…あ、カラオケでもいーんじゃね?」
「何でお前がプラン立ててんだって?」
慎「まあまあまあ。で、さらに盛り上げた後は…」
突然、顔を近づけ片方だけ口元を上げて笑った。
慎「…ラブホ、だな?」
「…やっぱり。」
予想通りの提案に大きく嘆息する。
慎「で、めでたく、二人はお付き合いすることになりました、とさ?」
「そんなうまくいくかよ!?」
慎「やってみなきゃわかんねぇだろが!あの人オカズに夜な夜な抜いてるクセによ?」
「お前と一緒にすんじゃ…」
慎「…一緒だろが?俺が何も知らないとでも?」
小さく舌打ちし、顔を逸らした。
慎「ま、ヤることとっととヤって幸せにおなりなさい。」
「ヤることヤって、って…。」
俺の落とした肩をポンポンと叩き、ズボンのポケットに手を突っ込んで歩き出す。
慎「で、お前のことだから、どーせ、アレなんだろ?」
「アレ、って?」
さっきから何だ?
その、含みのある言い回しは。
「………。」
千「圭太くん?」
この時、俺の頭ん中は、
慎之介の意味深な言葉で占められていて、目の前の彼から話しかけられていることに気づいていなかった。