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兄と妹

第2章 最悪な再会


正直言って全然大丈夫じゃない。
結局1日の授業全て上の空だった。


悠は授業が終わる度に心配の声をかけてくれたが、ほとんど頭に入っていなかった。


帰り道も上の空だったので、よく事故に遭わなかったなと自分でも感動した。



「千紗~。」


私はその声で一気に目が覚めた。


私の家の前で、元カレの藤堂竜次が立っていた。



「竜次…なんでここにいるの?」


竜次は恐ろしいほどニコニコしていた。。
その笑みを見るとあの嫌なことが蘇ってきてしまった。



「なんでって、千紗に会いたくなったからにきまってるじゃん。」



「私に会っても何もないよ…。」



私は完全に怯えていた。


そんな私の気持ちを無視するかのように竜次はまだニコニコしていた。


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