
兄と妹
第2章 最悪な再会
「千紗どうしたの?なんでそんなに怯えてるの?久しぶりの再会なんだからさ、もっと嬉しそうにしてよ~。」
竜次はじりじりと私に近づいてくる。
他校ということで会わないと安心していたが、竜次が私の住所を知ってることをすっかり忘れていた。
幸い今日もお兄ちゃんは帰りが早いからあと少し頑張れば…。
「今日ってお兄さん帰り遅い?。」
きたこの質問。行動早すぎでしょ…。
ここで早いと言えば確実に場所移動されてお兄ちゃんに助けてもらえない、それなら…。
「うん、遅いけどそれがどうしたの?。」
こう答えておいておくしかない。
後はお兄ちゃんが帰ってきてくれるまで時間稼ぎを…。
「へ~じゃあ…家の中に入ろっか。」
「え…なんで…?。」
「ははっ、久々に会ったから家でゆっくり話したいなって思って。」
「…。」
竜次の顔が変わった。
この顔をするということは絶対襲ってくる。
時間稼ぎも難しい…。
早くお兄ちゃん帰ってきて…。
