
兄と妹
第2章 最悪な再会
「どうしたの?早く入れてよ。」
「…嫌。」
「なんで?。」
「…。」
竜次の言い方が段々怖くなってきた。
これはそろそろ危ない。
案の定竜次は舌打ちをし、私の腕を強引に掴んできた。
「なんでダメなんだよ。」
「嫌だ!触らないで!。」
私が拒んでも竜次は私を引っ張って鍵を開けさそうとしてくる。
私は怖さのあまり涙が滲み出てきた。
助けてお兄ちゃん…。
私は心の中で叫んだ。
「千紗!。」
叫びが伝わったのか、お兄ちゃんが帰ってきてくれた。
「お前誰だよ!?千紗に何すんだ!!。」
お兄ちゃんは怒鳴り声をあげていた。
こんなに怒っているお兄ちゃんをみるのは初めてだ。
竜次は無言で掴んでいた手を離し、お兄ちゃんに押し付けるように私を突き放して逃げた。
お兄ちゃんが助けてくれて安心したのか私は気絶してしまった。
「おい待てよ!…千紗!大丈夫か千紗!?。」
お兄ちゃんが叫ぶが、私には聞こえなかった…。
