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兄と妹

第2章 最悪な再会


結局それから後に2回撮影が行われた。


だが、3回目となって私は辛いを通り越して感情が無くなっていた。



「おい!反応ないとつまんねーじゃねーかよ!。」



そう言われても私は全く顔を変えなかった。



「こいつどうしたんだ?頭イカれたか?。」



「もうダメだな。せっかくのいい女だがこんなんじゃあ撮影しても売れない。もう他の女にしよーぜ。」


ついに痺れを切らしたのか、そう言って男3人は出て行ってしまった。


竜次は1人取り残されていた。



やった…これでひとまずあの3人から解放された…。

後は…。



「千紗…どうしたんだよ!頼むから協力してくれよ!。」



竜次の顔は焦っていた。


残るはこいつだけ、もうこんな男好きじゃない…。



「竜次…別れよっか。」



「はぁっ!?何言ってんだよ!そんなこと…言わねーでくれよ…。」



なぜ急に声が震えてるのかわからないが、とにかく私は怒りが収まらなかった。



「あんたこそ何言ってんの?あんたみたいな最低でクズでバカな男、大嫌いだから。」



竜次は言い返そうとしてる様子だったが、言葉が出て来ないようだ。


それもそうだ、正論だから。



「いい子ぶってたあんたに騙された自分自身に腹が立つよ。もう私の前に現れないで!。」




「…そんなに言うなら別れよう。元々オレはお前の見た目だけが目当てで…付き合ったんだから…な…。」




ヤっていた時の強気な態度とは違って竜次は沈んでいた。

全くもってその態度の意味がわからない。



「…じゃあね。」



私は部屋を出た。

私は帰り道ずっと泣いていた。



“お兄ちゃん以外の男なんて…信用できない…。”



私はそう思うようになってしまった。


このことがキッカケで、私は好きな人ができなくなってしまった…。



そして今、その信用ができるお兄ちゃんを好きになろうとしている…。




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