
兄と妹
第3章 悩みと不安
「…どうしたの千紗ちゃん!?…泣いてるけど…?。」
「えっ…。」
全く意識していなかったのに目からポロポロ涙が出ていた。
どうして泣いてるの…?
これは嬉し涙じゃない…それにさっきからお兄ちゃんのことが頭から離れない…。
ああそうか…お兄ちゃんのことを好きであることを忘れたくないから泣いているのか…。
それと…修弥くんに申し訳ない気持ちがあるからか…。
「…修弥くん…ごめん私…やっぱり修弥くんと付き合えない…。」
「えっ…どうしたの?なんかオレ…千紗ちゃんに無理させちゃったかな?。」
「違うの!私ね…ある人のことを好きになるのやめようとしてる人がいて、修弥くんと過ごしたら忘れられるって思ってたの…。でもその人のこと忘れられないし、修弥くんを利用してることになるなって思うと悲しくて…ごめんね…。」
この後修弥くんになんて言われるのか怖くなった。
涙が溢れ出ていて止まらなかった。
確実に修弥くんに嫌われたと思い顔を上げたら、修弥くんは優しく笑っていた。
「そっかぁ…わかったよ。だから自分のこと責めないで?利用されただなんて思ってないよ!。」
やっぱり修弥くんは優しい…。
正直に言って良かった…。
