
兄と妹
第3章 悩みと不安
「もちろん、いいよ。」
お兄ちゃんは笑って言った。
私はお兄ちゃんの勉強机の椅子に座らせてもらい、横でお兄ちゃんが立って教えてくれるという状態になった。
「この式をここに代入して…。」
お兄ちゃんの教え方はとてもわかりやすかったので、スラスラ解けた。
「わーすごい!やっぱりお兄ちゃんの教え方先生よりもわかりやすい!。」
「いやいや、千紗の飲み込みが早いからスラスラ解けるんだよ。」
「そ、そんな!お兄ちゃんには全然及ばないよ!。」
お兄ちゃんにそんなことを言われてしまうと舞い上がって調子に乗りそうなので、慌てて言った。
「だーかーら、千紗はもっと自分に自信持ちなって!。」
ドキン…。
勉強に集中してたから意識してなかったけど、私、今大好きな人にすぐそばで教えてもらってるんだ…急に恥ずかしくなってきた…。
「あれ?千紗どうしたの?また顔赤いよ?。」
お兄ちゃんは片手を私のおでこに、もう片方を自分に当てた。
心拍数が更に上がった。
