
兄と妹
第3章 悩みと不安
「お兄ちゃん…どうしたの?。」
めったに見ない怖い口調、態度に私は完全に怯えていた。
「どうもしてない!早く出て行けよ!。」
私は生まれて初めてお兄ちゃんに怒鳴られた。
悲しくて涙が出そうになった。
「そっ…そうだよね…ごめんね、邪魔しちゃって…。」
私は教科書等を持って部屋を出ようとした。
その時…
ギュッ
私はお兄ちゃんに後ろから抱きしめられた。
それも強く…。
「えっ…。」
私は驚きの余り何も言えなかった。
私…今お兄ちゃんに抱きしめられてる!?
嘘でしょ!?こんなことって…。
「お兄…ちゃん?。」
信じられない気持ちが一杯で思わず声をかけてしまった。
「…あっ…ごめん…。」
案の定お兄ちゃんは手を離してしまった。
このまま黙っていたら良かったという後悔の気持ちが生まれた。
だが私はこれ以上いられなくなり、お兄ちゃんに何も言わずに自分の部屋に戻った。
