
兄と妹
第3章 悩みと不安
「はぁ…。」
思わず溜め息が出た。
お兄ちゃんに抱き締められたことで一瞬泣きそうになったことが一気に吹っ飛んでしまった。
お兄ちゃん…まさか私のことを…。
私は思わず期待してしまった。
だがそれだとお兄ちゃんが冷たい態度をとった理由がわからない…。
「やっぱりお兄ちゃんは私のこと嫌いになったのかな…もしそうならやだ、やだよ…。」
私はベッドの中で泣き、いつの間にか寝てしまっていた。
「千架ー千紗ー起きなさーい。」
お母さんの声で目が覚めた。
私は部屋を出た。
「千紗、おはよう。」
お兄ちゃんは私より早く出ていた。
「あ、お兄ちゃん…おはよう。」
「昨日は突然冷たい態度とってごめんな。ちょっとイライラしてたから…。」
お兄ちゃんは申し訳なさそうな顔で言った。
確かにそれも気になった。
でも、私が一番聞きたいのは…
