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兄と妹

第3章 悩みと不安


「そ、そんなの全然気にしなくていいよ!誰だってイライラする時あるし!。」


「…そうか…ありがとう。」



お兄ちゃんは抱き締めたことに関して一切触れようとしない様子だった。



「あ、あのさお兄ちゃん…。」


「ん?どうしたの?。」


「あのさ…昨日どうして抱き締めてきたの…?。」



このまま二度と聞けない気がしたので、私から話を出した。




「…ああ…あれは…千紗が泣きそうになってたから慰めようと思って…。泣かせた本人がする資格ないかもしれないけど…。」



さっきからお兄ちゃんが私の顔を見て話してくれていない…なんか寂しい…。


私は思いっきりお兄ちゃんに抱きついた。



「え、千紗!?。」


「昨日お兄ちゃんが抱き締めてくれたから、今度は私が抱きつく番!…なんちゃって!ありがとね!お兄ちゃん!。」



私は抱きつけたことが嬉しくて笑顔になった。

そうだ、いつものままでいいんだ…。




「…どういたしまして…。」



お兄ちゃんはいつものように頭を撫でてくれなかった。

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