
兄と妹
第3章 悩みと不安
「えっ…。」
「じゃあオレ先に降りるね。」
お兄ちゃんは私から離れ、さっさと階段を降りて行ってしまった。
なんでなの…?なんでそんなに冷たいの…?
私は力が一気に抜けてその場でへたり込んでしまった。
「…そんな冷たい態度とらないでよ…いつもみたいに頭撫でてよ…。」
私は小さくそう言って静かに泣いた。
私は想いが伝えられないもどかしさと、お兄ちゃんに嫌われてしまったという悲しみで一杯だった。
だが、よく考えるとこの数日間私はお兄ちゃんとの接触を避けていた。
お兄ちゃんに冷たいと言っておきながら、自分が先にお兄ちゃんに心配をかけて傷つけたのだ。
そんな私がお兄ちゃんにいつものように戻って欲しいと願う資格がないのかもしれない…でも…
「お願いお兄ちゃん…もうお兄ちゃんに冷たい態度をとらないから…だから…また笑って頭を撫でて…優しく私に触れて…。」
ワガママかもしれないが、今の私にはこれが一番の願いだった…。
