
兄と妹
第5章 溢れる想い
~千架視点~
夢にも思わなかった、まさか千紗もオレのことを好きだったなんて…。
こんな奇跡はこれから一生ないだろう…。
「ねぇ千架…千架はどうして私のこと好きになったの…?。」
しばらくボーッとしていた千紗が尋ねてきた。
「理由っていうか…本格的に好きになったのは中3だけどきっかけは中1の時かな…話聞きたい?。」
「うん!聞きたい聞きたい!。」
千紗は目を輝かせながら頷いて言った。
それはもう無邪気で可愛い顔だった。
そこまで聞きたいなら話すか…話す程でもないんだがな。
「わかった、話すよ。それでそれに関してなんだけどさ。オレって今はそんなに気にしてないけどさ、昔は千架って名前嫌がってたのはわかるよな?。」
「うん、覚えてるよ!。」
「それを1番気にしてた中1の時の思い出なんだけどさ…。」
オレは頭にその時の情景を思い浮かべた。
