
兄と妹
第5章 溢れる想い
-6年前-
“ちか”という名前は女子に付けられる名前のせいか、からかう奴がいる。
小学生の頃からからかわれてきたが、さすがに中学生になると周りは大人になってきた。
「なー千架!学校終わったら遊ぼーぜ!。」
「千架くん、ここの問題教えてくれない?全然解けないの!。」
自分で言うのもアレだがオレは運動も勉強も得意なため、男女問わずオレと遊んだり頼ってくれた。
だが…
「オイお前、ちょーし乗んなよ?。」
「男なのに女みてーな名前のダッサイ男がいきがんなよバーカ。」
などと、一部の男子はオレにそう言ってちょっかいをかけてくる。
オレはこれでもケンカが強いからこんな奴ら殴ってやりたいが、家族に迷惑をかけたくない。
だからオレはいつも耐えていた。
殴られたりしてもオレからは殴らなかった。
「ちょっと千架!どうしたのこの痣!?。」
「チッ…誰のせいだと思ってんだよ…。」
「いじめられてるの!?それに誰のせいだとって…どういうこと!?。」
「うっせえ!引っ込んでろ!。」
母さんは気づいてくれたのに、オレはストレスと年頃のせいで親に八つ当たりをするようになり、それこそ迷惑をかけてしまっていた。
