淡雪
第10章 想いを遂げる
ーーそんな...
「あなたが野球で活躍できたのも、芸能界で活躍できているのも彼女のお陰
そう思っているかもしれませんが彼女にそこまでの力はありません。
もともとあなたの中にあった潜在能力を引き出してくれただけなんです。
肘の怪我はともかく、その後の活躍のモチベーションは彼女じゃなくても引き出せたものです。
だから、もう気にすることはありません。
あなたが彼女を想うなら
これ以上近付かないであげてください。
それが彼女を守ることです」
「......」
「あなたは自分を変えてくれた彼女に
ありがとうと言いたかっただけですよね」
「...はい」
「その想いはもう伝わっているでしょう。
だから充分です」
医師の言葉は柔らかいけれど
完全に俺を押し止めようとしていた。
「あの...俺が近付いてはいけない理由はなんですか?」
医師の瞳が力を帯びた。
「彼女の命に関わるからです。
彼女は深く関わった人を覚えていない。
それは二度とその感情を呼び起こさないため」
「わかりません。
僕はあの時彼女を助けた。
結果うまく助けられずに彼女に助けてもらったわけですがそれが負の感情とも思えません」
医師は少し困った顔をした。
「そうですね...
そこは私にもまだ解明できていませんが
彼女が自分を守るために相手を忘れる以上
なんらかの理由があるのでしょう」
「あなたが野球で活躍できたのも、芸能界で活躍できているのも彼女のお陰
そう思っているかもしれませんが彼女にそこまでの力はありません。
もともとあなたの中にあった潜在能力を引き出してくれただけなんです。
肘の怪我はともかく、その後の活躍のモチベーションは彼女じゃなくても引き出せたものです。
だから、もう気にすることはありません。
あなたが彼女を想うなら
これ以上近付かないであげてください。
それが彼女を守ることです」
「......」
「あなたは自分を変えてくれた彼女に
ありがとうと言いたかっただけですよね」
「...はい」
「その想いはもう伝わっているでしょう。
だから充分です」
医師の言葉は柔らかいけれど
完全に俺を押し止めようとしていた。
「あの...俺が近付いてはいけない理由はなんですか?」
医師の瞳が力を帯びた。
「彼女の命に関わるからです。
彼女は深く関わった人を覚えていない。
それは二度とその感情を呼び起こさないため」
「わかりません。
僕はあの時彼女を助けた。
結果うまく助けられずに彼女に助けてもらったわけですがそれが負の感情とも思えません」
医師は少し困った顔をした。
「そうですね...
そこは私にもまだ解明できていませんが
彼女が自分を守るために相手を忘れる以上
なんらかの理由があるのでしょう」