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淡雪

第10章 想いを遂げる

着替えてキッチンへ行き

料理を盛り付ける璃子さんにまとわりつく。


後から抱き締め首筋に何度もキスを落とす。


「もう、坂井くんご飯の準備ができないでしょ」


くすぐったそうに首をすくめながら僕を軽く睨む


そんなしぐさも堪らなくかわいい。
でもひとつだけ気になることがある。


「ねえ璃子さん。
 いつまで坂井くんって呼ぶの?」


「ん?」


なんの疑問も持たない目が僕を見つめる。


「僕たち恋人なんだからさ坂井くんっていうのはちょっと寂しいな」


「そっかぁ。でも坂井くんは坂井くんなのよね。

 さ、邪魔してないで手伝って。

 ご飯食べよ」


璃子さんがニッコリ笑う。


じゃ、邪魔って...

僕にとっては最高に甘い時間なんだけど...


なんか僕の質問もはぐらかされた感じだし。


今日こそ賢夢って呼ばせてやる。


首筋を少し強めに吸って僕の印をつける。


璃子さんがちょっと睨む。


そんな顔したってかわいいだけだよ。

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