淡雪
第10章 想いを遂げる
「あれ?
そういえば今日あの開局記念番組の放送日じゃない?」
璃子さんがカレンダーを見ながら言った。
「あ、そういえばそうだね」
僕はわざとらしく惚けて答えた。
もちろん忘れるはずはないけど
ちょっと怖かった。
璃子さんが何か思い出すんじゃないか
苦しむんじゃないかって...
それを思い出したら今度はまた俺のことを忘れてしまうかもしれないなんて思ったら、あのドラマのことは口にできなかった。
「私あのドラマ楽しみにしてたの。
坂井くんが初めて大きな役を貰ったドラマでしょ。
二人でゆっくり見ようよ」
「えっ、あ、そうだね。
でも恥ずかしいな。俺ぜったい下手くそだし」
そんな風に言ってなるべく見ない方向に持っていこうとする。
「大丈夫。それに毎日宣伝がすごいの。
どうしても見たいって思った。
とても面白そうなの」
璃子さんはあの現場のことは覚えていないようだった。
そういえば今日あの開局記念番組の放送日じゃない?」
璃子さんがカレンダーを見ながら言った。
「あ、そういえばそうだね」
僕はわざとらしく惚けて答えた。
もちろん忘れるはずはないけど
ちょっと怖かった。
璃子さんが何か思い出すんじゃないか
苦しむんじゃないかって...
それを思い出したら今度はまた俺のことを忘れてしまうかもしれないなんて思ったら、あのドラマのことは口にできなかった。
「私あのドラマ楽しみにしてたの。
坂井くんが初めて大きな役を貰ったドラマでしょ。
二人でゆっくり見ようよ」
「えっ、あ、そうだね。
でも恥ずかしいな。俺ぜったい下手くそだし」
そんな風に言ってなるべく見ない方向に持っていこうとする。
「大丈夫。それに毎日宣伝がすごいの。
どうしても見たいって思った。
とても面白そうなの」
璃子さんはあの現場のことは覚えていないようだった。