淡雪
第11章 小さな嫉妬
僕はそっと璃子さんの手を握った。
もうすぐ渡部さんが息子さんと喧嘩をするシーン
画面では渡部さんと息子さんの怒鳴りあう声が...
『直哉、好きにしろ!!
自分で生きていけばいい
お前はこの家から出て行け!!!』
画面の渡部さんが叫ぶ
その声に璃子さんは苦しげに胸を押さえた。
「大丈夫?璃子さん」
僕は握った手に力を込めて璃子さんを抱き寄せた。
璃子さんは少し呼吸が早くなっている。
でもしっかりと画面を見続けていた。
『直哉』
家を出ていこうとする息子に渡部さんが語りかけるシーン
『直哉、どこにいってもいい
何をしてもいい
ただ、ただ
生きていてくれ
俺も母さんもお前がとても大事なんだ
お前のことを心から愛している
それだけは、忘れないでくれ』
息子は涙をにじませ
唇を噛んで扉を開けて出ていった。
渡部さんが一筋の涙をこぼす
『生きてくれ...』
暫くの沈黙のあとCMに切り替わった。
僕はそっと璃子さんを見た。
璃子さんは静かに泣いていた。
もうすぐ渡部さんが息子さんと喧嘩をするシーン
画面では渡部さんと息子さんの怒鳴りあう声が...
『直哉、好きにしろ!!
自分で生きていけばいい
お前はこの家から出て行け!!!』
画面の渡部さんが叫ぶ
その声に璃子さんは苦しげに胸を押さえた。
「大丈夫?璃子さん」
僕は握った手に力を込めて璃子さんを抱き寄せた。
璃子さんは少し呼吸が早くなっている。
でもしっかりと画面を見続けていた。
『直哉』
家を出ていこうとする息子に渡部さんが語りかけるシーン
『直哉、どこにいってもいい
何をしてもいい
ただ、ただ
生きていてくれ
俺も母さんもお前がとても大事なんだ
お前のことを心から愛している
それだけは、忘れないでくれ』
息子は涙をにじませ
唇を噛んで扉を開けて出ていった。
渡部さんが一筋の涙をこぼす
『生きてくれ...』
暫くの沈黙のあとCMに切り替わった。
僕はそっと璃子さんを見た。
璃子さんは静かに泣いていた。