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淡雪

第11章 小さな嫉妬

そのドラマの反響は凄まじいものだった。

日曜日のゴールデンタイムもあって
視聴率は20%を叩き出した。

原作者の作品は次々とドラマや映画化され
ヒットを飛ばした。

ドラマに出演していた俳優陣も続々と連続ドラマが決まり
渡部さんは演技派としてハリウッド映画にも進出していった。

もちろん僕も例外ではなく
高視聴率の連続ドラマのレギュラーを獲得した。

すべてが順調だった。
俳優としてもアイドルとしても
人気をはくし
“坂井 賢夢”は
もはや甲子園上がりのアイドルという
異質の話題性から抜け出し始めていた。


あとは
璃子さんと結婚する。

僕の目標は目下それのみになっていた。


もうすぐ璃子さんと暮らしはじめて1年になる。



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