淡雪
第12章 プロポーズ
「それは違うかな」
沈黙を破って私が答えた。
「坂井くんは紛れもなく天才よ。
私、思うんだけど
天才ってすごい力のある人じゃないと思うの。
毎日小さな努力を続けることができる人のことを
天才
と呼ぶんだと思う。
その努力に生まれ持った才能が開花するんじゃない?
それに大事な要素は臆病なこと。
いつも不安に怯えながら不安に打ち勝つために練習をする。
だからもっと上手くなる。
天才はみんな臆病よ」
坂井くんは私を見つめて黙って聞いている。
「私の能力は私の意思ではどうにもならないの。
“こうしてあげたい”、“助けてあげたい”と思っても反応しない人もいる。
誰にどんな風に反応するかは私にはわからない。
求めている人の努力や心持ちによって
ほんの少し神様が力を分けてくれる。
私は巫女だと思ってるの。
私の体を通して神様がその人に必要と思われるものを少し分けているだけ。
だから私のお陰じゃないし
私の力でもない。
それを呼び寄せたのは
あくまでも
あなた よ
坂井くん。
だから私に気を使わないで。
恩返しなんていらないのよ」
私は坂井くんに向かって微笑んだ。
沈黙を破って私が答えた。
「坂井くんは紛れもなく天才よ。
私、思うんだけど
天才ってすごい力のある人じゃないと思うの。
毎日小さな努力を続けることができる人のことを
天才
と呼ぶんだと思う。
その努力に生まれ持った才能が開花するんじゃない?
それに大事な要素は臆病なこと。
いつも不安に怯えながら不安に打ち勝つために練習をする。
だからもっと上手くなる。
天才はみんな臆病よ」
坂井くんは私を見つめて黙って聞いている。
「私の能力は私の意思ではどうにもならないの。
“こうしてあげたい”、“助けてあげたい”と思っても反応しない人もいる。
誰にどんな風に反応するかは私にはわからない。
求めている人の努力や心持ちによって
ほんの少し神様が力を分けてくれる。
私は巫女だと思ってるの。
私の体を通して神様がその人に必要と思われるものを少し分けているだけ。
だから私のお陰じゃないし
私の力でもない。
それを呼び寄せたのは
あくまでも
あなた よ
坂井くん。
だから私に気を使わないで。
恩返しなんていらないのよ」
私は坂井くんに向かって微笑んだ。