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「坂井くん、それは勘違い。

　私を好きなんじゃなくて

　みんな私の能力が気になるのよ」

私は可笑しくて少しわらった。

「わかってないのは璃子さんだよ。
　
　もしかしたら初めはそうかもしれない。

　でも璃子さんと話すたび、触れるたび

　とても穏やかになって落ち着くんだ。

　心がほっこりとして

　いつも君のそばにいたい
　君にそばにいてほしいって思う」

私は笑って

「それも力の一部よ」

と答えると

「わかってない。

　もしもどんなに力のある霊能力者や占い師が僕を助けてくれても

　多分その人を好きになることはない。

　璃子さん自身の持っている雰囲気が
　男を惹き付けるんだ」

「そうかなぁ...」

「そうなの」

「でもモテないよ」

「それはね、みんな踏み込めないだけなんだ」

今度は私が首をかしげる番。

「もうっッ

　璃子さんの存在が圧倒的過ぎて
　なんか自分のものにしちゃいけないんじゃないかって
　思わせるんだよ。


　だけど、僕は違う。

　想って、見つめている間に
　
　璃子さんが他の男に取られたら
　そんなの許せるわけがないんだ。

　こんなに想ってるのは僕が一番なんだから」


坂井君の視線が

痛くて

怖くて

目を逸らした。