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淡雪

第13章 愛されること

初めての現場はいつも緊張する。

しかも今回は初めての時代劇。

時間を見つけて殺陣の練習はしてきたけれど...

ホテルに荷物を置くと直ぐに撮影所へ向かった。

時代劇の撮影所は不思議な空間だ。

着物を着てかつらを被った人が携帯で話をしていたり、コンビニに行ったりする。
もしも明治維新がなくて戦争もなかったら
日本は21世紀でもこんな感じだったのだろうか

ーーなんてね。
  あるわけがない。


すでに撮影は始まっていて俺は遅れての出演。

今回の時代劇は新撰組の話で主役はJ事務所の大先輩。

僕の役は新撰組隊長の一人。
槍の名手と言われた人だから体格には問題ないとは思うけど...。
今回の話をもらって新撰組を調べてはじめて知った。新撰組ってすんごい人数が多かったってこと。
近藤勇や土方歳三は有名だけど
その数人だけじゃなかったんだって。

時代劇って面白い。
勉強することはたくさんあるけど、今まで知らなかったことや教科書には出ていない史実を知ることができる。
僕の知らない時代の知らない生活や人物を体験することができる。
タイムスリップが出来るんだ。

そんなワクワクするような気持ちも抱きつつ
現場へと足を踏み入れた。

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