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淡雪

第13章 愛されること

このままじゃダメだ。
集中できない。

俺は車を降りると
人気のない場所を探して璃子さんに電話した。

「もしもし」

ーーあぁぁーーー
  璃子さんの声
  たった1日しか離れていないのに
  何ヵ月も声を聞いていなかったみたいだ。

「もしもし?」

「璃子...さん?」

どうしよう...
胸が一杯で涙が出そうだ。

「どうしたの?」

何かを察した璃子さんの優しい声が俺を包む。

「愛してる...」

口から零れ出たのは
愛の告白だった。

「私も大好きよ
 坂井くん」

ーー好き...かぁ

  まだまだハードルは高い...


「璃子さん、あのね...

 事務所が璃子さんとのこと認めてくれた」


「え?!

 そうなの?」

璃子さんは驚きの声を隠さない。
そうだよな。
こんな早くに事務所が認めるなんて
信じられないよね。

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