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淡雪

第2章 恋心

僕はその場に居られなくなり、槙さんのメイク室に逃げる。

槙さんのメイク室には大林さんがいた。


「あ、田辺くんごめんちょっと待ってて」


僕に一瞬顔を向けて声をかけてくれる。


「お、准一どした、落ち着きないな」


僕の表情を見た大林さんがからかう。


「あ、いえ」


「松下さん入っただろ。

 彼女の存在感は凄いからな。

 25であれだけのオーラ、末恐ろしいよ」


なんて笑ってる。


僕はすっかり呑まれてあたふたしてるのにさすがに先輩は違うな...


少し落ち着きを取り戻す。


でもすぐに彼女と対峙出来そうにはないな...


未熟者の自分が嫌になる。


こんなんでこの先この世界でやっていけるのだろうか...

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