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淡雪

第13章 愛されること

「さて、なんの話だったかな?」

業界でJさんと呼ばれている彼は
後ろで立って様子を見ていたマネージャーを振り向く。

「賢夢が槙さんと結婚したいと言ってまして...」

「なるほど」

Jさんは頷いた。

「璃子ちゃんは?

 したいの?結婚」

私は一瞬ドキリとした。

「ん?

 賢夢が焦ってるだけみたいだね」

Jさんは私の心を見透かしているようだった。

「璃子ちゃんはどうなの?」

Jさんは優しい目で私を見つめる。

「まだ よくわからなくて...

 その...ずっと入院してたんです。

 その時に坂井くんが献身的に看病してくれて

 退院するときに行き先のなかった私をマンションに呼んでくれて...

 だから、好きとかよくわからないまま

 すみません
 坂井くん、今大事なときなのに
 スキャンダルは困りますよね」

私は身を縮めた。

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