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淡雪

第13章 愛されること

「璃子ちゃん
 僕は賢夢を好きなのかって聞いてるよ。

 もちろん、賢夢はいま大事なとき
 相手は慎重に選ばなきゃいけない。
 というか、いまは恋愛はやめてほしい

 だけど 璃子ちゃんだったら
 いいんじゃない?
 って思うけど

 どう思う?」

ずっとJさんの隣で私に鋭い視線を向けていた女性に聞いた。

「まあ、槙さんなら
 とは思うけど

 女優やアイドルみたいに事務所同士の話

 とはいかないわね。

 槙さんを必要としている人は多いから

 賢夢とのことが明るみに出たら
 うちの仕事がどうなってしまうのか

 吉と出るか凶と出るか...」

女性は私から視線を外さずに
ゆっくりと言葉を発する。


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