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淡雪

第13章 愛されること

「どうやらこちらが焦る必要はないみたいね。

 結婚は大事な問題だから
 ゆっくり考えればいいよ。

 アイドルと結婚するってことは
 日常はなくなるって事なんだよ。
 何よりもファンを大事にしないとダメでしょ。
 ファンを失望させるようなことは決してできないからね」

私に強い視線が向けられる。

マネージャーを振り向き

「賢夢にしばらく結婚は許さん

 と言っておけ。

 賢夢は焦ってるからな」

そして私に向き直って

「璃子ちゃんはモテるからね

 賢夢の気持ち分からなくはない。
 早くモノにしないと奪われる
 賢夢には動物的な勘があるから」

私を見てニヤリと笑った。

「璃子ちゃん、二人の結婚を反対はしないよ。
 璃子ちゃんが賢夢と一緒になりたいと思ったら
 していいよ」

そして

「まだ 時間がかかりそうだ。
 それはこちらにもありがたい。

 ただ、賢夢を抑えとかないと、ね」

そう言って親指をたてた。

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