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「ひとつ条件があるわ」

いままで黙って話を聞いていた女性が口を開いた。

「うちの事務所の専属になってもらう」


「え?!...

　それは...」

私は戸惑った。

「出来ない？」

腕組みをして威圧的に言う。

「キャシー、それは無理だよ」

Jさんがにこやかに言う。

「そんなことをしたらうちがこの業界に睨まれてしまう。

　璃子ちゃんは特別な存在なんだよ。

　賢夢が掴んだだけでもラッキーさ」

ね、と言いながら
私にウインクをする。

「でもね、J

「それ以上はダメだキャシー」

鋭い声が女性の言葉を制した。

「璃子ちゃん、お願いがあるんだ。

　また仕事を始める気になったら

　うちの子が出ているドラマを断らないでくれるかな？」

Jさんが優しく言う。