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淡雪

第13章 愛されること

「ドラマの撮影かな?」

あまりに大胆すぎる行動に周りからそんな声が聞こえる。

「だよね。
 さすがにプライベートでこんなことしないよね」

ーーそれが
  プライベートなんですよ!

  あ、でも撮影って思われた方がいいか。

私は坂井くんの背中に腕をまわした。

長い長いキスのあと

坂井くんは唇を離して

私を見つめて

「ただいま」

と言った。

「おかえり」

そしてギューッと抱き締める。

「会いたかった。

 触れたかった。

 抱き締めたかった。

 キスしたかった」

そしてまた唇が触れた。

「もういいだろう」

呆れた声に坂井くんが唇を離して
拗ねた目を向ける。

マネージャーさんがしらけた目で見つめていた。

「行くぞ」

「ッチ」

と舌打ちして

「続きは二人きりになったらね♪」

と耳元で囁き
私の腰を抱いて歩き出した。

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