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淡雪

第13章 愛されること

マネージャーさんが運転する車は
自宅マンションではなく
高級ホテルのロータリーへと入っていった。

「え?」

戸惑う私に

「ディナーの予約入れたんだ」

坂井くんが私の手を引いて
車を降りた。

「じゃあ、今週はあとOFFにしたからゆっくり休め」

マネージャーさんが声をかける。

「ありがとう」

坂井くんは嬉しそうにいってロビーへ向かう。

あまりに堂々としていて
堂々としすぎていて
誰も私たちに気を留めない。

私は坂井くんに手を繋がれたまま
最上階のレストランへと向かっていた。

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