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淡雪

第13章 愛されること

都内の夜景が一望できるフレンチレストラン。

その個室に私たちは案内された。

「あー

 やっと璃子さんと二人きりになれた」

坂井くんは私の手をとって嬉しそうに見つめる。

「やっとだ

 やっとだよ」

「おかえり、坂井くん」

「璃子さんがいなくなってたらどうしよって

 毎日それだけが心配だった」

「ちゃんといるよ」

「うん。
 ありがとう」

それから坂井くんは撮影の話をたくさんしてくれて

運ばれてくる料理を

「美味しい。美味しい」

って言いながら食べた。

その様子を見ているだけで私まで幸せな気持ちになってくる。

「璃子さんと一緒だと
 本当に美味しい。

 うまい料理が何倍にも旨くなる」

そんなこと言ってくれるから

嬉しくなる。

ずっとこんな風に言ってもらえたら
幸せだろうな。

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