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淡雪

第14章 リーク

「マネージャーからyouの話を聞いたとき

 困ったことをしてくれたと思ったよ。

 璃子をyouが奪ったら事務所に仕事が来なくなると思ったしね」

Jさんは僕を射るように見る。

何も答えられない。

「でも同時に

 璃子を手に入れられるとも思った」

口許に不適な笑み。

僕は背筋に冷たいものが流れたのを感じた。

「話を聞くとどうやら出会いは高校生の時だというじゃないか。

 だとしたらみんなが璃子を知る前に
 youが出会っていた。

 つまり

 youが 先 だ」

Jさんの眼光は鋭い。

「だからリークさせたよ。

 あとからバレて大騒ぎになるくらいなら

 先に仕掛ける」

Jさんは僕には想像できない絵図を描いていた。

「璃子を離すな」

「......」

どういう意味だ?
反対してたんじゃないのか?

「you 良くやった。
 璃子を手にいれたらうちの事務所は安泰だ」

「あの...

 どういう意味 ですか?」

僕はなんとか言葉を絞り出した。

「何があっても璃子を離すな。

 その特権はyouだけに与えられたものだ。

 田村でも准一でもない

 youだけだ」

「田村くん?
 准一?」

僕の頭は明らかに混乱した。
なぜ二人が出てくる?

「明日記者会見するから

 筋書きはマネージャーと確認して」

僕の混乱をよそにJさんはそういうと僕の肩を叩いてさも楽しげに出ていった。


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