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淡雪

第14章 リーク

「あの... どういう こと?」

僕はマネージャーに視線を向けた。

「そういうことだ。

 明日記者会見する。

 筋書きはここにかいてある通り」

そう言って数枚の書類を手渡された。

「急に記者会見するって言われても...」
 
戸惑い意外ない。

「役者やってんだろ。

 やりきれ」

マネージャーは事務的に返す。

「俺、記者会見なんてやったことない」

「だから、そこに台本あるだろ?
 明日までに台詞覚えてくればいいだけだよ」

やっぱり混乱している

「そもそも、僕たちの結婚に反対だったんじゃないの?」

僕は最初の疑問に立ち返った。

「バカ お前は単細胞だから
 賛成したらみんなに言いふらしちまうだろ
 幸せオーラ撒き散らして」

「否定は しません」

僕は肩をすぼめ小さくなって答えた。

「そんなのが先に広まってみろ

 槙さんがいま仕事を受けないのはお前のせいになる。
 そうなるとお前の仕事はおろか
 この事務所自体が恨みを買うんだ。

 だから、先にリークさせて
 出会いは業界に入る前
 その時から一途にずっと好きでした。
 彼女に見つけてほしくてアイドルになった。
 そしたらまさかその彼女はこの業界にいた
 ってことになれば話は別だ」

ーー??そうなの?


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