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「へっ?!
　じゃあ　本当に璃子さんと結婚していいの？」

僕は驚きのあまり声が裏返った。

マネージャーの冷たい視線...

「交際を認めるだけだ。

　いま結婚宣言してみろ
　やっと本格活動を始めたXセブンもろとも終わる。
　既婚者のファンになろうなんて思う女がいるか？」

僕はうなだれた

「ですよね」

「ただ、スポーツキャスターの仕事が来てるんだ。
　これはチャラチャラしたアイドルより
　しっかりした経歴があった方がいい。
　お前は大卒でしかも建築学科を出ている。　
　これは強いぞ。

　そして世間が忘れかけてる
　甲子園３度出場という経歴を思い出してもらう」

本当にただでは起きない業界だ。

「坂井賢夢の一途な純愛男と甲子園３度出場という経歴。

　これからのお前の売り路線だ。

　うまくいけば純愛を貫く男を世間は祝福してくれるさ。

　焦るな」

僕は頷いていた。

確かに僕はまだ22歳だ。
アイドルとしてまだ確立していない俺がいま結婚してしまうにはリスクが高い。

認めてもらっただけでもよしとするしかないか。

「ありがとう。

　明日の記者会見成功させるよ」

僕は決意を秘めた目でマネージャーを見つめた。

「頼むぞ
　J事務所の明暗がかかっていると言っても良いくらいだ」

僕は台本に目を通し
明日の段取りを確認する。
リークさせたとあって
雑誌名、記者の質問まですべての筋書きが書かれてある。

あとはやるだけ

僕は事務所をあとにした。