淡雪
第14章 リーク
そして大きく息を吐いて
「そうはいってもどうやって守ったらいいか
なんて分からなくて。
いつも璃子ちゃんの側にいて
なるべく一緒にいるようにしてたんだ。
そしたら、俺と彼女が付き合ってるって噂がたつようになって
彼女の力を知っている連中から警戒された。
俺が彼女を独り占めしようとしてるって」
田村くんはため息をついた。
「それで一時仕事を干されたんだ」
「干された?」
俺は聞き返した。
田村くんにそんな時期があったなんて知らなかった。
「ああ。
監督やプロデューサーからも
もうJ 事務所は使わないと言われて
俺はJさんに呼び出されて
『もう璃子に近付くな』
と警告された。
俺は彼女を守るどころか近づくことさえ
許されなくなったんだ」
そして俺をちらりと見る。
「そんな頃お前が現れた」
「え?!」
「能天気なお前は俺の気など知らず
センチな恋の話を切なそうにしやがった」
そういって俺の頭を小突いた。
「ったく。
でもお前の話を聞いたとき
彼女の能力の凄さを改めて知った。
俺が見たのはほんの一部だったってこと。
とても俺が守りきれるような存在ではないと
確信した。
そしてお前が探し当てることを期待して
俺は身を引くことを決めた」
ーー俺?!
俺は田村くんの横顔を見つめた。
「そうはいってもどうやって守ったらいいか
なんて分からなくて。
いつも璃子ちゃんの側にいて
なるべく一緒にいるようにしてたんだ。
そしたら、俺と彼女が付き合ってるって噂がたつようになって
彼女の力を知っている連中から警戒された。
俺が彼女を独り占めしようとしてるって」
田村くんはため息をついた。
「それで一時仕事を干されたんだ」
「干された?」
俺は聞き返した。
田村くんにそんな時期があったなんて知らなかった。
「ああ。
監督やプロデューサーからも
もうJ 事務所は使わないと言われて
俺はJさんに呼び出されて
『もう璃子に近付くな』
と警告された。
俺は彼女を守るどころか近づくことさえ
許されなくなったんだ」
そして俺をちらりと見る。
「そんな頃お前が現れた」
「え?!」
「能天気なお前は俺の気など知らず
センチな恋の話を切なそうにしやがった」
そういって俺の頭を小突いた。
「ったく。
でもお前の話を聞いたとき
彼女の能力の凄さを改めて知った。
俺が見たのはほんの一部だったってこと。
とても俺が守りきれるような存在ではないと
確信した。
そしてお前が探し当てることを期待して
俺は身を引くことを決めた」
ーー俺?!
俺は田村くんの横顔を見つめた。