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淡雪

第15章 策略

1時間後事務所の人が迎えに来た。

マネージャーは忙しいらしくあんまり見たことのない人だ。

「じゃ、璃子さん行ってくるね」

玄関でチュッと軽いキスをして
僕は上機嫌で玄関を出ていく。
 
ーーもうこれで誰の目も気にすることなく
  璃子さんと生活できる。


それしか思っていなかった。

外に出るとあれほどいた芸能記者はいなくなっていた。
マネージャーが何とかしたんだ。
スゴいな...

事務所の車に乗り込み鼻唄まじにり後部座席で寛ぐ。その様子を事務所の人はミラー越しに黙ってみていた。



通された会議室にはマネージャーが待っていた。

「なに?」

僕は気軽に部屋にはいる。

マネージャーはちょっと渋い顔。


「どうしたの?

 昨日の記者会見悪くなかったでしょ」


僕を見たマネージャーは

「まあな。」

と一言だけ言った。


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