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「あら？聞いてないの？」

突然会議室に響く声


「キャシーさん」

マネージャーはすぐに席をたってキャシーさんに椅子を勧める。


「聞いてないです」


僕ははっきりと告げた。


「おかしいわね。

　斎藤言ってなかったの？」


キャシーさんはマネージャーを見る。


「すみません。

　伝え忘れていまして」


「あら、ダメじゃない。

　大事なことよ」


「すみません」


俺はマネージャーとキャシーさんの空々しいやり取りを見ていた。


ーー嵌め...られた？

　　キャシーさんは璃子さんを欲しがっていた

　　記者発表してしまった今

　　条件を飲むしかない...


「どういうことですか？」

僕はキャシーさんをただす。


「そういうことよ。

　貴方と璃子の交際を認める。

　璃子は事務所に入っていないから
　この先大変だろうと思って。

　J事務所のタレントと付き合うのよ。

　色々気を付けてもらわないと。

　フリーでは難しいわ。

　でもタレントではないからうちがマネージメントするのが一番いい方法だと思ったの。

　これは貴方と璃子のため」


キャシーさんは僕を強く見た。

拒否は許さないとその目が言っている...