テキストサイズ

淡雪

第16章 崩壊

翌日僕は取材の合間をぬって
事務所へ向かった。

4月からのスポーツニュースも準備の佳境を迎え始めている。


事務所のドアをあけると
マネージャーと目があった。

「なんだ賢夢

 取材は?」


マネージャーは驚いて僕を見た。


「取材どころじゃない。

 璃子さんのマネージャーは誰?」


僕は怒りを押し込め聞く。


「璃子さんはマネージャーはいない。

 スケジュール管理はキャシーさんがやってるよ」


「キャシーさん?」


専務であるキャシーさんがタレントのスケジュール管理をするなんて信じられない。


それほど璃子さんは

大事な商品

ということなんだろう。


僕はマネージャーに背を向けて
役員フロアへと向かった。


「おい!

 賢夢待て!」

マネージャーが追いかけてくるのも構わず
エレベーターに乗り込んだ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ