淡雪
第16章 崩壊
静かな役員フロア
僕は
《専務室》
と書かれた扉をノックした。
中からキャシーさんの秘書が出てきた。
「坂井ですが
璃子さんの件でキャシーさんにお話が」
僕が訪問理由を告げると
「専務はただいま接客中です。
終わりましたらお声がけしますので
下のフロアでお待ちください」
と慇懃に告げられ
ドアを閉められそうになる。
「すみません
急いでいるんです」
そっと中を覗くと
どこかで見たプロデューサー...
ーーああ sxだ。
たしか今春のドラマの...
中から笑い声が聞こえる。
『頼みますよ キャシーさん
次のドラマは僕の命運がかかってるんでね。
次もまたコケるわけにはいかないんですよ』
ーーそうだこの人
数字がとれないで有名な...
『もちろんわかってます。
そのために記者発表までして
うちの事務所に引き入れたんです』
ーーどういう...?
『賢夢は一途な男ですからね』
『ええ。賢夢の一番の手柄ですよ』
ハハハと二人で笑っている。
『それでギャラですが...』
『実はいま璃子はかなり体力を消耗してまして
本来なら春のドラマは厳しいところなんですが
Nさんのたってのご依頼ということですから
お受けしたいのはやまやまですが...』
キャシーさんはプロデューサーを前に
惚けたことをいう。
僕は
《専務室》
と書かれた扉をノックした。
中からキャシーさんの秘書が出てきた。
「坂井ですが
璃子さんの件でキャシーさんにお話が」
僕が訪問理由を告げると
「専務はただいま接客中です。
終わりましたらお声がけしますので
下のフロアでお待ちください」
と慇懃に告げられ
ドアを閉められそうになる。
「すみません
急いでいるんです」
そっと中を覗くと
どこかで見たプロデューサー...
ーーああ sxだ。
たしか今春のドラマの...
中から笑い声が聞こえる。
『頼みますよ キャシーさん
次のドラマは僕の命運がかかってるんでね。
次もまたコケるわけにはいかないんですよ』
ーーそうだこの人
数字がとれないで有名な...
『もちろんわかってます。
そのために記者発表までして
うちの事務所に引き入れたんです』
ーーどういう...?
『賢夢は一途な男ですからね』
『ええ。賢夢の一番の手柄ですよ』
ハハハと二人で笑っている。
『それでギャラですが...』
『実はいま璃子はかなり体力を消耗してまして
本来なら春のドラマは厳しいところなんですが
Nさんのたってのご依頼ということですから
お受けしたいのはやまやまですが...』
キャシーさんはプロデューサーを前に
惚けたことをいう。