淡雪
第16章 崩壊
僕は覗いていたドアから足を抜いた。
秘書は顔色を変えず
「下でお待ちください」
と告げた。
僕は静かにその場を去った。
喫煙所でタバコの煙を燻らす...
ーー分かってはいたけど...
僕たちはただの商品に過ぎない...
それを目の当たりにしただけだった。
吸いとれるものは骨の髄までしゃぶり尽くす
それがこの世界だ...
キャシーさんに直談判したところで
体よく言いくるめられるだけ。
僕たちは契約金など知らされず
ただ振り込まれる金額で
自分の価値を判断する。
ーーそう 僕らは ただの 商品...
分かっていたはず
なのに...
ーーどうしよう
このままでは璃子さんは本当に壊れてしまう
僕は灰皿にタバコを落とすと
事務所をあとにした。
秘書は顔色を変えず
「下でお待ちください」
と告げた。
僕は静かにその場を去った。
喫煙所でタバコの煙を燻らす...
ーー分かってはいたけど...
僕たちはただの商品に過ぎない...
それを目の当たりにしただけだった。
吸いとれるものは骨の髄までしゃぶり尽くす
それがこの世界だ...
キャシーさんに直談判したところで
体よく言いくるめられるだけ。
僕たちは契約金など知らされず
ただ振り込まれる金額で
自分の価値を判断する。
ーーそう 僕らは ただの 商品...
分かっていたはず
なのに...
ーーどうしよう
このままでは璃子さんは本当に壊れてしまう
僕は灰皿にタバコを落とすと
事務所をあとにした。