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淡雪

第16章 崩壊

家に戻ると
璃子さんはベッドで寝ていた。

ーー日に日に疲れが溜まっているのが見える。
  目の下のクマも濃くなっているし...

僕はシャワーを浴びて
そっと璃子さんのとなりに潜り込む。

そして抱き締めた。


ーー璃子さん
  痩せたな...


ただでさえ華奢な璃子さんなのに
抱き締めると一回り小さくなった気がする。


ーーこんなんで次の仕事まで受けてたら
  璃子さんが持たないよ

  かといってどうしてあげることもできない

  情けない男で...

  ごめん


璃子さんの額にそっと唇を落とす。


ーー僕にもその苦しさを分けて


そう願いながら
朝まで璃子さんを抱き締めていた。






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