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淡雪

第16章 崩壊

「賢夢、人の心配をしている場合?

 今は少し引き合いがあるけど

 あなたレベルのアイドルなんて掃いて捨てるほどいるわ。

 人の心配してる暇があったら精進しなさい」


話は終わったとばかりキャシーさんは立ち上がった。

「キャシーさん

 このままでは璃子さんは壊れてしまう。

 それはあなたにとっても不本意なんじゃないですか?」


「そうね」


「だったらもう少し璃子さんの体調を考えて下さい」


「わかったわ」


キャシーさんはうるさいハエを追い払うように手をヒラヒラと払った。


「キャシーさん!」


キャシーさんは奥の部屋へと消えた。


がっくりと膝から崩れる。


ーー僕にはなんの力もない

  
  璃子さんになにもしてあげられない...


  田村くんなら璃子さんを救えるのかな...?


なぜか田村くんを思い描いた。


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