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淡雪

第18章 結婚の波紋

「ね、璃子ちゃん

 賢夢のこと 坂井くんって呼んでるの?」


「はい」


「なんで?

 昔は賢ちゃんっていったよ」


ーーたまには役に立つじゃないか、姉

  そうそう もうひと押し


  だいたい兄さんが陵ちゃんで

  姉さんは理沙さんなのに


  なんで俺は坂井くんなの?


「ん...

 なんか坂井くんの方がしっくりくるというか...」


「そうなんだ。

 じゃ、いいか」


ーーおい!

  引き下がるの早すぎだろ

俺は心の中で突っ込みをする。



「お先」


その時、風呂からあがった兄が顔を覗かせた。


「あれ? 

 姉さん来てたの?」


頭を拭きながら
多分、俺よりイケメンであろう兄貴が何気なく姉に声をかける。

なんか髪が濡れて乱れてる感じ
ちょっとカッコいいんですけど...




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