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淡雪

第3章 魔性の彼女

その時松下さんは僕の胸をバンと突き飛ばした。


椅子ごと後ろに倒れる俺


『何をするの!』


雅子は声を荒げる


僕は呆然としながらうつむきがちに


『貴女に気づいてほしかった

 貴女にこんなに焦がれている僕がいることを...』


僕はスタジオのどこかで聞いているであろう槙さんに向かって言葉を続ける


『貴女に出会ったときからどうしようもなく貴女に惹かれてしまっているんです』


立ち上がり、雅子のなかに槙さんを見る。


『貴女が欲しい』


そう言って雅子を抱き締めた。

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