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淡雪

第3章 魔性の彼女

シンと静まり返るスタジオ。


電気の発する低周波が聞こえる。


暫くしてから


「カッッッット!!!」


監督の声で時間が動き出した。


「やるじゃない田辺くん。

 手加減しなくて良さそうね」


僕の耳元でそう囁いて松下さんは監督のもとへ歩いていった。

僕もあとから松下さんに続く


監督が僕に歩みより


「田辺くんがこんなにすごい役者だと思わなかったよ!」

と喜色満面で僕の肩を叩く。


ーーえ?! 役者? ぼく...が?


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