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淡雪

第18章 結婚の波紋

「なーにいってんの?

 他の女のこと考えながら私とヤるのやめてくれる?」


「え?!」


焦った。


「ま、いいけど。

 じゃ、行ってくるけど朝食買ってこようか?」


財布を持って美咲が聞く


「いや... いいや」


「じゃね」


とても今までsexをしていたとは思えない足取り。


「アイツ マジスゲーわ」


思わず口から零れた。


ーー俺、何やってるんだ?


美咲が消えてしばらくすると
一人、また一人と出勤してきた。


俺の勤務先は旅行代理店本社。

昨今の価格競争と労働環境の改善で
業績は厳しくなる一方。

ま、好きでやってるからいいんだけど。


もう一度コーヒーを入れ直し


パソコンの電源をいれた。


戻ってきた美咲はすっかりバリキャリの顔。
コンビニスムージー片手に
企画書とにらめっこしている。


ーーアイツも頑張ってるんだな。


  気が強くて可愛いげがなくて

  sexが大好きで...


  でも不思議と俺が落ち込んでいるときは

  アイツがいつも側にいる。


  ありがとな 美咲


美咲が振り向いて親指をたてた。


ーーエスパーか?


  美咲には璃子のような力はない。

  普通の女子だ。


  しょーがねー

  今夜飲みにいって
  アイツの好きな
  縛りでもやってやるか


俺はコーヒーを飲んで
パソコンに向き合った。





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