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淡雪

第18章 結婚の波紋

「俺にはわからない...」

好きな女が他の男とヤるなんて
絶対許せるわけない。

俺の場合は...
好きな女はもう結婚しちまったから
もし彼女と出来たとしても...

俺が 

許されない男

になる。


「またぁ、世界一不幸な男

 みたいな顔しちゃって」


美咲はバーボンのロックを煽った。


「あのさ、いい加減ケリつけて来たら?」


「ケリ?」


俺は美咲を見る。


「告白するなり 襲うなり

 自分の気持ちにケリつけないと先に進めないよ」


「......。」


美咲のいうことはもっともだ。


もう彼女は結婚してしまったんだから

どこかでケリをつけないといけない。


「今から 行ってきたら?」


「今から?」


「まだ10時よ。

 それに今は陵の弟日本にいないでしょ」


美咲が俺を見る。


「なんで知ってるの?」


「昨日の番組で言ってたわよ。

 しばらくはアメリカからの中継だって」


ーーそういえば そんなこと言ってたな...


「今がチャンスじゃないの?

 それにいくらセフレの私でも

 身代わりはイヤよ」


身代わり...か。

そんなこと考えもしなかったけど
美咲は彼女の身代わりなんだろうか...



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