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淡雪

第18章 結婚の波紋

テーブルにコーヒーを置いて璃子は向かい側に座った。


「陵ちゃん、聞きたいことって何?」


「うん... 」


俺は出されたカップに手を伸ばし
コーヒーを一口


「璃子がさ うちに来なくなった理由って

 俺 だよな」


「え?!... 」


璃子は少し驚いた顔をして
それから俯き
小さく頷いた。


「やっぱり...」


二人ともコーヒーを飲みながら
沈黙に耐える。


「ごめんな、璃子...」


俺は璃子を見つめてそう呟いた。

璃子は俯いたまま小さく首を振った。




あれはいくつの時だったろうか...

俺は璃子が好きだという感情に気づき始めたとき...

璃子はまだ1年生か2年生...


璃子は俺の部屋で仲良く宿題をしていた。
いつもの光景...


時々顔をあげて俺に笑顔を向けて
いろんな話をする璃子

俺は璃子の言葉が出てくるその唇を見つめていて...


気がついたら...


璃子のそのまだ幼い薄い唇に

自分の唇を...


重ねていた...



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