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淡雪

第18章 結婚の波紋

「何があったの? 陵」

璃子を抱き締めながら母が聞いてくる。


ーー言えるわけないよ

  璃子にキスしたなんて...


「おばさん ゴメンね」


少し落ち着いた璃子が母に話しかける


俺は璃子が口にするであろうことを想像して
覚悟を決めた。


「ごめんなさい。

 ちょっとビックリして」


「何が?」


母は優しく聞く。


「陵ちゃんの飼っているカブトムシが私の足を這ったから」


「「え?!」」


よくみると璃子の近くに逃げたカブトムシ...


「陵...取ってあげなさい」

呆れた母の声


「ごめん 

 いきなり叫んだからわからなかった...」


まさかの答え...


璃子は宿題は終わったからと
母と一緒に荷物をもって下へ降りていった。


ーーバレなかった?!


でも 多分璃子の叫びは

カブトムシじゃない。


僕は逃げたカブトムシをつまみ上げ

仲間のなかに戻した。



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