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淡雪

第19章 危険なガーディアン

翌日俺はJさんのもとへ向かった。


「璃子を俺の専属にしてほしい」


Jさんは物言いたげに光る眼差しで俺を見た。


「youも往生際が悪い」


皮肉な笑いを口許に湛えて


「そうだな、俺も相当往生際が悪い。

 でもこれは坂井からの頼まれ事なんですよ」


「ほー 賢夢の...

 アイツはニブイからな」

口許の笑みがさらに意地悪そうに深くなる。


「賢夢は今必死だよ

 youのようになるために。

 かわいい後輩を裏切るなよ」


「そんなつもりはないですが

 こればっかりは約束できませんね。

 俺だって名乗りをあげられたはずなんだ」


Jさんの目が鋭く光る。


「you、何度も言うが

 賢夢が "先" だ」


俺はため息をついた。


「わかってますよ。

 とにかく彼女を俺の専属にしてください。

 また倒れられたらお互いに得はないでしょう?」


「まあな」

Jさんが小さく頷く。


「わかった。

 キャシーは私が何とかする」


「宜しくお願いします」


俺は一礼すると事務所を後にした。



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