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ふぅッーっとため息を大きく吐いてから


「契約の話なんだけど
　とりあえず5年でいいかな？」


俺は真面目な顔で璃子を見た。


「5年?！
　長くないですか？」


璃子はちょっと不思議そうな顔を向ける。

「それだけあれば坂井も自分の名前で仕事が取れるようになるだろう。

　逆にできなきゃ才能はないってことだ」


「まあ...」


「決まり。
　契約は5年。
　専属だから、撮影には必ず着いてくること。

　それからグループのレギュラー番組は来なくていい。局のヘアメイクがいるから。

　あと仕事を選ぶときの相談にも乗ってほしい。

　...質問は？」


俺は優しく璃子に微笑む。


「仕事を選ぶときの相談?！
　それは私には...」


璃子は首をかしげた。


「璃子の感性

　それが欲しい」


「...わかりました」


璃子は少し考えてから頷いた。


僕はホッと胸を撫で下ろす。